2019年10月18日金曜日

2019年 ウィーンの旅行(2) ウィーン宮殿編


更新 2019/11/12 その他の関連記事を記事の最後に付記

シェーンブルン宮殿(夏の居城)

オーストリア政府観光局 さんより引用
ユネスコ世界文化遺産にも登録されているハプスブルク家の夏の離宮シェーンブルン宮殿は、17世紀の末、皇帝レオポルト一世(優れた武将オイゲン公などを選出し後押ししてオスマントルコのウィーン包囲を撃墜した。)の命で、建築家フィッシャー・フォン・エルラッハにバロック様式の壮麗な狩猟の館に改築させたもので、18世紀の半ばに、女帝マリア・テレジアの指示でニコラウス・パカッシが拡張・改装を行い、現在の姿となりました。外観はバロック様式、内部はロココ様式で、1400室の部屋があり、現在その内の40室が公開され、外観の黄褐色はマリア・テレジア・イエローと呼ばれています。

 ウィーン市街地(リンク内)からは、地下鉄で15分ほどかかる場所にあります。しかし、この宮殿の周りはかなり広い範囲におよぶ繁華街という印象があります。シェーンブルン庭園の丘の上の凱旋門「グロリエッテ」あたりから遠方が眺められますが(写真1)、視界に収まる範囲は家で埋め尽くされています。この辺りは広範囲に渡り、人口が密集していることがよくわかります。ただ、日本と違い、シェーンブルン宮殿の周りは高い建物がないので--リンク内には5F以上の建物がそこそこあるのです。--、その眺めは家が張り付いた地面という印象です。
写真1
シェーンブルン庭園の凱旋門グロリエッテ付近から撮影したシェーンブルン宮殿と街並み


 私のこの旅行の目的は、音楽を聴きに行くというのが最優先でしたから、観光施設は列挙だけしてその歴史的背景などは、全く調べずに行きました。ですから、観光という意味では、オーストリアの皆様には申し訳ないくらい期待していなかったのです。観光本(地球の歩き方)は購入していたので、エリザベート皇后(シシィ)の情報はありましたが、女帝マリアテレジアや自分が世界史を勉強した時に随分と立派な方だなと尊敬したカール大帝のことすら、頭の片隅にもないくらいでした。
 そんな感じでとりあえず一番初めにシェーンブルン宮殿に行ったのですが、カウンターパンチを食らった感が半端なかったです。建物は本当にゴージャスで、庭園が美しいのです。これらの素晴らしい文化を目の当たりにした時に、ここでハプスブルク家は金、欲にまみれた家系だったのかなと、多少の侮蔑も持っていたことをおおいに反省しました。「ハプスブルグ家は偉大だった
という正しい認識が持てたことは、私にとってはとても重要なことでした。
 私たちは、10時頃宮殿に付き、15時頃退散したのですが、宮殿内の見学ルート(音声ガイダンスあり)、凱旋門までの散策と宮殿内のカフェでのランチで終わってしまい、とても見きれませんでした。他にも、動物園(パンダがいる;汗)、日本庭園などがあるのですが、回ることができなかったのが残念です。ここは丸一日いないと見学しきれないでしょう。

宮殿内見学
 まず、宮殿内の音声ガイダンスが付く見学ルートがとても長いのです。ここは、主に第一次世界大戦(ヨーロッパ大戦)を始めたフランツヨーゼフとそのお妃様のシシィについてが中心に、ガイダンスが進められます。少し、偏りが多いので、ハプスブルク家についての全体像がつかめないという難点がありますが、それでもかなり面白い見学です。ここだけで1時間は超えると思います。途中に、代々のハプスブルク家の人たちが書いた絵画が展示されていたのですが、この家系の方々は、とても絵が上手な方が多いのだなと驚嘆しました。私が好感が持てる絵が多くて、ウィーンの美術史博物館より楽しく絵を鑑賞しました。

 宮殿の敷地に入り、入場券を購入する部分も広くてとても綺麗でした(写真2)。この写真2の裏側が写真1のシェーンブルン宮殿の表側(記憶によるとです。)です。
 ランチは宮殿内の入り口に近いTortentheke」というお店でいただきました。この店、とても居心地が良かったです。利用客のほとんどが旅行者のためか、注文もしやすく、ケーキ類も一通り揃っています。「ザッハトルテ」と言っても、ウィーンでは通じないので、「チョコレートケーキ」と言わなければばならないのですが、ここでは、ザッハトルテと記載されたメニューがあり、それを注文すると、日本人にとっては正真正銘のザッハトルテが出てきました(💖)。そして、アイスコーヒーのLサイズを注文したら、日本人が思い浮かべる、普通のアイスコーヒーが満足いくほどグラスに注がれて出てきました。そして、味がとても良かったです。というのも、ウィーンのアイスコーヒーは、ちょっと私が考えているものと違うのです。甘めのアイスコーヒーにクリームが乗っかっているのです。ウィンナーアイスコーヒーとでもいう感じです。ビールはやはり安く、ミネラルウォーターよりも安価です。全体的にこのお店は安くはないのでしょうが、別段 高すぎず、ゆっくりできるので、初めての日本人観光客にはとてもオススメです。人で溢れかえってはいないのでゆっくりと足を休めることができますよ。
 そしてこの広場の入場ゲートが、鳥(ワシ?)なのです。多分、ハプスブルク家の紋章も鳥なので、それを表しているのだと思います。実物で見ると本当に立派ですが、写真でお伝えしきれないのが残念です。入場ゲートのワシを写真3に載せてみます。
写真2 シェーンブルン宮殿の敷地に入った時の広場
 左側手前に大きいお土産店があり面白いです。他にも宮殿内に2、3箇所ありますが、ここが一番大きいので、全てが揃っている感じです。
 ここで、確かチケットを買うのですが、結構並んでいました。ネットでシシィチケットや、シェーンブルン宮殿の拝殿券が購入できるので、購入しておくと、券売で並ぶ必要がないです。


写真3 シェーンブルン宮殿敷地のゲート
写真2の手前です。地下鉄の駅から5分くらい歩くと、このゲートに着きます。
シェーンブルン庭園見学
 シェーンブルン庭園の散策とは、ここでは宮殿から丘の上の凱旋門「グロリエッテ」までの散策のことです。
写真4 シェーンブルン宮殿と庭園
 庭は、花が整備されていて本当に綺麗です(写真4)。そしてその脇には木立が写真5のように道に緑の壁を作りながら植栽されており、この日は青空と木立の緑のコントラストによって息をのむほど綺麗でした。



写真5 庭園脇の木立の作る道



 途中には写真6のような噴水があります。この噴水は裏側にも行けて、写真を撮るスポットになっています。



写真6 
             1段目:庭園からの凱旋門グロリエッテと噴水
             2段目:庭園にある池と噴水
             3段目:噴水の上からの石像の写真
             
写真7:正面からの噴水の石像 
男性の神様の左手の所にグロリエッテのワシがとまっている。


 大体の人は疲れてしまうのですが、お天気が良ければ、絶対に凱旋門グロリエッテまで頑張って登ってください。ここから一望するシェーンブルン宮殿はまた格別です(写真1)。天気に恵まれたこともあり、凱旋門は近くから見ると(写真8)とても神々しかったです。

 

写真7 凱旋門グロリエッテ(上: 正面、下:横)

ホーフブルク(冬の居城;リンク内)宮殿   

 13世紀頃(1275年ごろ)にオーストリア公国公城として、オーストリア公オタカル2世によって建てられたと言われている。その後、オタカル2世が神聖ローマ皇帝ルドルフ1世(ハプスブルク家)に敗れ、ハプスブルク家の居城 兼 王宮となった[2]。
 それから、神聖ローマ帝国(オーストリア公国・オーストリア大公国)、そしてオーストリア・ハンガリー帝国の皇帝の宮殿、そしてウィーンの市壁(ドイツ語版)の一部として使用された。640年にわたりハプスブルク家の政治中枢であり居城であった宮殿で、ホーフブルク王宮とも呼ばれる[2]。シェーンブルン宮殿が夏の離宮で、こちらは冬の主皇宮として使用された。

 宮殿は様々な建物が増築された複合建築物となっている。現在この中には、
オーストリアの連邦大統領の公邸、
欧州安全保障協力機構 (OSCE)の常設会議場、
オーストリア国立図書館、
シシィ博物館、
イベントスペース
等が置かれている。


 ホーフブルク宮殿は、旧王宮(ホーフブルク王宮;写真8)と新王宮(ノイエブルク;写真9)からなります(地図1 参照)。


写真1 ホーフブルク宮殿 
宮殿の部分と思われる地域を白いラインで囲ってみました。この地図を頭に入れて歩くと楽です。宮殿の中にお土産やさんが何店舗かありました。 


写真8 旧王宮入り口
ミヒャエル広場からの撮影です。ここから観光用馬車が出ています。多分、ここがホーフブルク宮殿の顔だと思います。上の石像が素晴らしいので、下の写真を撮りました。

写真9 新王宮 
新王宮は地味目ですが、見所満載です。新旧王宮を二日かけて見学してみたいです。


 旧王宮には、
・銀器コレクション
・シシィミュージアム
・皇帝の部屋
・スペイン乗馬学校
・王宮宝物館
の見学施設があります。「銀器コレクション」「シシィミュージアム」「皇帝の部屋」は、シシィチケット(シェーンブルン宮殿見学件)で見学できます。銀器コレクションには、銀器もさることながら陶器もかなりの量が保管されていて、陶器好きにはなかなか面白いと思います(https://tabijozu.com/wien-hofburg さん参照ください。)。音声ガイドもあります。とても丁寧な音声ガイドで、勉強になりますが、やはりエリザベート王妃に関する説明がちょっと多いので飽きてしまうかもしれないです。

 新王宮には、
・古楽器博物館、
・武器博物館、
・エフェソス(民族)博物館
の見学施設があります。

 地図を参照してもらえると、ホーフブルク宮殿内の新王宮の南西に
・ウィーン自然史博物館
・美術史博物館

があります。

 ホーフブルク宮殿で見学できるものを列挙し、我々家族が見学した施設に*を付けると、
・銀器コレクション(*)
・シシィミュージアム(*)
・皇帝の部屋(*)
・スペイン乗馬学校(*主人のみ)
・王宮宝物館
・古楽器博物館(*主人と子供)(写真10)
・武器博物館(*主人と子供)(写真10)
・エフェソス(民族)博物館(*主人と子供)
・ウィーン自然史博物館
・美術史博物館(*)(写真10)

 決して外してはいけないと言われた、美術史博物館ですが、私はここに展示されている絵が好きではなかったので残念でした。しかし、見学順路最後の方の、エジプトのブースに行くと、綺麗な石の装飾品や美しい棺やロゼッタストンみたいなものが並んでいて、家族で興奮してしまいました。ちなみに、今回の旅行で、見学したブダペストの王宮にあるハンガリー国立美術館は素晴らしかったです。 
 後からネットで復習したら、旧王宮の王宮宝物館には行った方が良かったと思いました。
写真10 古楽器博物館、武器博物館、自然史博物館
                               (終わり)
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